子宮や腟、会陰からの知覚神経は、脊髄神経に入っています。脊髄神経の神経支配領域は子宮に関してはTh10-12とL1、腟、会陰はS2-4と呼ばれ、この領域にのみ麻酔をしてあげれば、痛みを感じなくな ります。硬膜外麻酔法とは、脊髄の外側の硬膜外腔に細いカテーテル(管)を挿入し、そこから局所麻酔薬を注入して痛みを除去する方法ですので、患者さんの意識 がなくなることはありません。欠点はカテーテル挿入に手間が必要なこと、麻酔効果が出現するまで多少時間がかかることなどがあります。血圧の下降にも注意が必要 ですが、脊椎麻酔に比較すると穏やかです。また、無痛分娩をしているからといって、呼吸法の重要性(ラマーズ法など)は変わりませんので、分娩までよく練習しておきましょう。


 次に、具体的なスケジュールに関して述べてみましょう。

1)陣痛開始から分娩第1期前半
 子宮口が3cm位に開くまでの時期です。痛みはまだそれほど強くないため、必要であれば鎮静剤、鎮痛剤の投与で対処します。またこの時期は初産婦で5−6時間はかかりますので、妊婦さんはリラックスして体力を消耗しないことが重要です。

2)分娩第1期後半
 子宮口が3-4cmから全開大までの時期で、陣痛が徐々に強くなってきますので硬膜外カテーテルを挿入し ます。カテーテル挿入には約5−10分くらいかかりますが、挿入の際の痛みはほとんどありません。。陣痛の痛みに応じて、局所麻酔薬をカテーテルから、60-120分おきに注入します。 

3)分娩第2期
 子宮口が全開大から児の娩出までの時期で、もっとも陣痛が強くなる時期です。坐位の状態で局所麻酔薬を追加します。医師、助産婦のいきみの指示にあわせていきみましょう。

4)分娩第3期
 胎盤娩出までの時期です。産道の傷があれば縫合処置を行いますが、麻酔がきいているため痛みはほとんどありません。

 およその概略を述べてみましたが、無痛分娩によって陣痛の痛みを軽減する利点は、妊婦さんがリラックスできるため、 疲労が少なく、産道の伸展がよくなります。これらは、、特に合併症(妊娠中毒症、高血圧、甲状腺機能亢進症など)のある産婦さんには大変有利な方法です。