
更年期障害とは、卵巣機能の低下に起因した女性ホルモン(エストロゲン)の減少にくわえ、社会的,環境的要因が複雑に絡み合って、自律神経失調症状や精神神経障害症状などのさまざまな不定愁訴が出現する症候群のことです。年齢的には45~55歳頃をさします。更年期にまず出現する症状としては、ホットフラッシュや発汗などに代表される血管運動神経症状がみられます。
- 更年期症状調査票(SMIなど)
- 背景調査(月経、妊娠、分娩、既往歴)
- 心理社会的調査票(ライフイベントなど)
- 精神症状調査(HADS、M.I.N.I.スクリーン、SDSなど)
- 内分泌(LH、FSH、E2、PRL、甲状腺ホルモン)
- 血液一般検査、生化学検査(肝機能、コレステロール、中性脂肪、腎機能など)
- 必要に応じて、骨密度、乳がん検査
更年期障害の診断、治療に必要な検査

簡略更年期指数(SMI)は更年期障害を診断するものではありません。
更年期障害と診断された場合にその重症度や治療効果をチェックするものです。診断には、医師の問診、ホルモン検査などが必要となります。
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◆更年期指数の自己採点の評価法◆
| 点 数 | 評 価 |
| 0 - 25 | 上手に更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。 |
| 26 - 50 | 食事、運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。 |
| 51 - 65 | 医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けた方がいいでしょう。 |
| 66 - 80 | 長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。 |
| 81 - 100 | 各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が必要でしょう。 |
(小山嵩夫; 日本医師会雑誌1993;109:259-264)

更年期に減少する 女性ホルモンを補充することにより更年期に増加する症状を改善するものです。
通常HRTとも呼ばれ、それは Hormone Replacement Therapy の略です。
「ホルモン補充療法」の効用
- 更年期障害の諸症状の改善
- 皮膚の弾力性の回復
- 夜はよく眠れて物忘れも減る
- 長期服用で、骨粗鬆症を予防、骨折の減少
- コレステロール減少させ、心筋梗塞や脳卒中の発生を約1/2に減らす
- 寿命が延びる
HRTの種類
- 飲む:経口型
- 貼る:貼付型
- 腕などに塗る:ジェル剤
HRTの副作用
不規則な出血、乳房の張りや痛み、胃のむかつきなど。
HRTを続けていくうちに軽減されることが多いです。まずは3ヶ月位続けてみましょう。
乳がんへのリスクは?:WHIの乳がん増加のデータを日本に当てはめると、1年間に対照群(HRTを受けなかった群)では1万人で8人が乳がんになるのに対して、HRTを受けた群では11人。3人増加するリスクをどう受け止めるかですが、更年期症状でお困りの方にはメリットの方が多いと考えています。最近の日本の更年期女性を対象としたHRTと乳がんの研究(厚生 労働省班研究、佐伯班)では、HRTを服用して いた方が、35%位服用していない人達に比べ乳がんが減少したとの報告もなされています。すなわち、定期的に乳がん検診を受けてさえいれば、過度に心配する必要はないと考えています。
HRT禁忌の人
子宮体癌・乳癌の治療をしている人、血栓症のある人、タバコを1日30本以上吸う人 など。

バランスのとれた漢方薬である「当帰芍薬散」、「加味逍遥散」、「桂枝茯苓丸」が主に処方されます。当帰芍薬散は、「冷え」や貧血症状の強い女性に用いられます。加味逍遙散は精神症状が強い方に処方されます。また「のぼせ」症状が強い方には桂枝茯苓丸も効果があります。
鬱気分,神経質,めまい,易疲労感などの精神症状にはHRT よりもむしろ漢方薬が 有効なことがあります。
